AIテレアポのトークスクリプト例と断り・転送の作り方
AIテレアポの初回架電スクリプトは、人が読む営業台本をそのまま登録するものではありません。名乗りと連絡目的を伝え、相手の回答に応じて質問を減らします。人へ渡すか、会話を終えるかも決める設計図です。
初回の目的は、商品説明を最後まで聞いてもらうことではありません。連絡した相手と目的が合っているかを確認し、次に取る行動を一つ決めることです。
まず資料請求後の架電を例に、実際の文面と通話後の処理を示します。新規営業でも、事実でない接点を読み上げたり、断られた後に別の提案を続けたりしないことが大切です。
資料請求後に使う台本と分岐例
電話連絡の目的を案内した資料請求へ、法人向けサービスの相談希望を確認する架空例です。消費者向け電話勧誘の法定事項を網羅した台本ではありません。相手の取引目的と自社の受付体制に合わせて調整します。
「青空システムのAI受付です。業務管理サービスの資料をご請求いただいた件で、担当者へのご相談希望を確認するお電話です。今、お話ししてもよろしいでしょうか。」
相手が了承したら「担当者へのご相談をご希望ですか」と尋ねます。希望があるときだけ在席確認へ進みます。資料請求をしたことと、今すぐ営業担当との会話を希望していることは別です。
表は左右にスクロールできます
| 相手の返答 | AIの返答例 | 通話後に残す処理 |
|---|---|---|
| はい、相談したい | 「担当者へおつなぎしてもよろしいでしょうか」 | 承諾と担当者の受入を確認して転送 |
| 今は忙しい | 「承知しました。改めてのご連絡をご希望でしょうか」 | 希望がある場合だけ時間を確認。無回答なら終了 |
| 私は担当ではない | 「失礼しました。今回のご案内は終了します」 | 担当違い。担当者名を推測して再発信しない |
| 必要ありません | 「承知しました。ご案内はここで終了します」 | 今回終了。自動で次回連絡を予約しない |
| 今後電話しないで | 「承知しました。今後のご案内のお電話を停止するよう受け付けました」 | 通話中に発信除外。同期失敗時は管理者へ通知 |
| 費用はいくらですか | 「ご利用条件により異なるため、担当者からのご案内をご希望でしょうか」 | 個別条件を推測せず希望時のみ有人対応 |
| 費用次第です | 「料金のご案内をご希望でしょうか」 | 意思確認はこの例では一度まで。反応がなければ終了 |
「忙しい」は再連絡の許可ではなく、「担当違い」は別の人の連絡先を聞く許可でもありません。明確な拒否には確認質問を重ねません。一度までという回数はこの台本の運用案で、法律上の許容回数ではありません。
転送できないときは折り返しまで決める
相談希望を得ても、担当者につながるとは限りません。受入確認に失敗したら「すぐつなぎます」を繰り返さず、相手が希望する次の行動を聞きます。
「ただいま担当者が応答できません。折り返しのご連絡をご希望でしょうか。」
希望された場合だけ連絡可能な時間と折り返し先を確認します。「翌営業日中」などの期限は、担当者が対応できる運用を確保しているときだけ伝えてください。希望時間と約束できる期限が合わなければ、確約せず担当者による調整が必要と案内します。
記録例は「相談希望あり/質問は料金/転送先不応答/折り返し希望は翌営業日午後/営業受付へ割当/期限は翌営業日終業時」です。発信者番号を折り返し先と決めつけず確認し、未確認項目は空想で埋めません。担当者がタスクを受け取ったことと、実際に折り返した結果を別に残します。
初回電話で決めることを一つに絞る
最初に、通話が正しく終わった状態を一文で決めます。資料請求後の希望条件を確認して担当者へ渡す、展示会で聞いたテーマを確認して次回連絡の可否を残す、といった単位です。
担当者の特定や商品説明を行い、予算確認と日程調整まで一度に完了させようとすると質問が増えます。相手が途中で断ったときに、何を記録すべきかも分からなくなります。
初回の終了状態は、次の四つを起点に自社の用件に合わせて整理します。
- 次の質問または日程調整へ進む
- 営業担当へ会話中に転送する
- 後日の折り返しとして受け付ける
- 対象外または停止希望として終了する
スクリプトを書く前に、この四つへ分かれる条件を決めてください。質問文は、その条件を判断するために必要なものだけにします。
名乗りとAIの役割を冒頭で伝える
冒頭では、会社名と窓口名、連絡目的を先に伝えます。担当者本人のように振る舞わせず、AIが一次確認を担当する場合は、その役割を相手が理解できる表現にします。
電話勧誘販売に該当する場合は、勧誘前に必要事項を告げなければなりません。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、事業者名と勧誘者名、商品・役務の種類と勧誘目的を挙げています。「営業のため、又は営業として締結するもの」などには適用除外がありますが、法人への電話というだけで一律に対象外とは判断しません。自社の取引を確認してください。
当サイトでは、AIが一次確認を担当していることを短く伝える運用を勧めます。法令上の一律な文言と決めつけず、相手が誰と何のために話しているか誤解しない案内を作ります。
冒頭を長い会社紹介にしないでください。会社名とAIが担当する範囲を伝えます。次に、思い出せる接点と今回の確認目的を続ければ、相手は会話を続けるか判断できます。
相手が思い出せる接点を具体的に言う
「以前お問い合わせいただいた件」のような表現だけでは、相手がどの接点か思い出せません。フォーム名や展示会名、資料名や申込日など、自社が確認できる事実を一つ伝えます。
名刺交換後の連絡について、個人情報保護委員会のFAQは、自社の広告宣伝物を送ることに一定の予測可能性があると説明しています。一方で、受信拒否や他法令への対応も必要です。名刺があることを、あらゆる電話目的への同意に置き換えないでください。
接点が記録されていない場合は、推測して説明しません。「担当者から伺った」「以前お話しした」といった事実でない表現は、会話への不信につながります。接点を確認できないリストは、初回架電の対象から外します。
既存顧客へ連絡する場合も、契約中であることだけで目的を省略しません。更新と利用状況の確認、新サービスの案内では、相手が予想する内容が異なります。
質問は一つずつ理由とセットにする
最初の質問は、相手と目的が合っているかを確認するものです。担当部署が合っているか、資料を請求した本人か、今この話を続けてよいかを聞きます。
質問を一度に二つ以上重ねないでください。担当者・導入予定・予算を続けて聞くと、AIがどの回答を得たか判断しにくくなります。質問と回答を一組ずつ記録します。
個人情報を聞く場合は、その項目を次の業務で使う理由を説明できるようにします。連絡先をすでに持っていても、本人確認や折り返しに不要な住所、生年月日まで初回電話で聞く必要はありません。
相手が質問へ答えなかった場合は、同じ文を繰り返しません。質問の目的を短く説明し、それでも回答がなければ未確認として人へ渡すか、会話を終えます。
想定外の質問は回答範囲で分ける
初回電話でも、相手から料金や契約、技術と個別対応について質問されます。スクリプトには回答文だけでなく、AIが答えてよい範囲を入れてください。
公式資料に明記された一般情報は、参照元と版をそろえたうえで回答候補にできます。個別見積もりや値引き、導入可否、契約の解釈は担当者へ渡します。分からない質問へ推測で答えさせません。
質問を受けたときの分岐は三つにします。
- 確認済みの情報として短く答える
- 回答せず、担当者への転送または折り返しを提案する
- 自社の対象外として案内し、会話を終える
担当者がすぐ応答できない場合は、転送を約束しないでください。折り返し担当と期限を記録し、相手へ伝えられる状態にします。
断りと停止希望を別の結果にする
「今は不要」と「今後電話しないでほしい」は同じ断りではありません。前者は今回の終了理由、後者は次の架電対象から外す指示です。
消費者への電話勧誘販売では、特定商取引法が契約しない意思を示した人への勧誘継続や再勧誘を禁止しています。対象取引かどうかにかかわらず、明確な停止希望を説得で覆そうとしない運用にしてください。
明確に断られた場合は、質問や説得を続けず了承して終了します。「今は話せない」など意味が曖昧な場合に限り、会話を続けてよいか短く確認します。停止希望の範囲が不明でも確認への回答を終了条件にせず、再発信を止めた状態で人へ引き継いでください。
停止処理がCRMへ反映されるまでの間も、再架電を防ぐ必要があります。通話結果を保存した時点で一時除外し、同期の完了後に恒久的な停止状態へ移します。
人への引き継ぎは会話中と通話後に分ける
会話中に転送するのは、相手が今すぐ担当者との会話を希望し、担当者が応答できる場合です。料金や契約の個別質問、具体的な商談希望などを条件にします。
苦情やAI利用への懸念も、相手が会話の継続を望む場合は人が受けます。AIが答えに困ったという理由だけで転送したり、断りを覆すために担当者へつないだりしません。
担当者が不在なら、通話後の折り返しへ切り替えます。AIは相手の連絡先と希望時間を確認し、担当者と期限を決めたタスクを作ります。通知を送っただけで引き継ぎ完了にしません。
人へ渡す記録は、長い要約よりも次の行動を優先します。
- 相手と接点を特定できる情報
- 確認済みの事実と未確認の項目
- 相手から出た質問の原文
- 希望する次の対応と期限
- 停止希望や連絡時の注意
録音や文字起こしを使う場合、個人情報保護委員会のFAQは、特定の個人を識別できる通話内容が個人情報に該当すると説明しています。録音の案内文だけでなく、利用目的と閲覧者、保存期間もスクリプトの運用条件として確認してください。
無言や聞き取れない返答を了承にしない
返答がないときは「お声が確認できませんでした。お話しできますか」と確認し、それでも聞き取れなければ終了します。確認回数と待ち時間は試験で調整し、無言を相談希望や再架電の承諾として扱わないでください。
会話結果は、相談希望・折り返し希望・今回終了・停止希望・対象違い・判定不能に分けて記録します。特に、単なる切断や無言を「興味なし」と断定しないことが重要です。判定不能の録音を人が確認できない場合も、了承したことにはしません。
七通話で会話のつながりを試す
完成したスクリプトは、正常に答える人だけで試しません。異なる終了状態へ進む七つの通話を用意します。
- 目的に合い、質問へ順番に答える
- 担当者ではないと伝える
- 質問の途中で話題を変える
- 料金や契約の個別条件を聞く
- 人との会話を希望するが担当者が不在である
- 今後の連絡停止を希望する
- 今回の案内を明確に断り、追加質問なしで終了する
各通話で、冒頭の説明が伝わったかを確認します。質問の答えと終了状態、CRMの記録、人への引き継ぎも見てください。
スクリプトの評価は、最後まで読めたかでは決めません。相手の意思に応じて質問を減らし、必要なときに人へ渡し、停止希望で確実に終えられたかを見ます。
最初の一歩は、実際に使う一つの接点について名乗りと目的を書くことです。最初の質問と終了状態も加え、四行にまとめます。その後に、断りと想定外質問、人への引き継ぎを加えてください。