人材サービスでAIテレアポを使う前の確認点
人材サービスでAIテレアポを使うなら、法人営業の連絡先と求職者情報を最初に分けます。AIが確認するのは企業側の採用予定です。求職者への連絡や候補者の紹介を、同じ発信リストで扱わないでください。
接点によって、連絡できる理由と会話の前提が違います。既存顧客と過去取引先では、相手が覚えている情報も同じではありません。一つの接点へ絞り、採用予定の有無を確認して営業担当へ渡すところから始めます。
法人リストと求職者情報を分ける
人材サービスのCRMには、企業の採用担当者と求職者の情報が入る場合があります。氏名や電話番号が同じ形式でも、利用目的は別です。AIテレアポへ渡す正本を法人営業用に限定します。
厚生労働省の職業紹介事業者等の指針は、対象となる事業者の求職者等の個人情報の収集・保管・使用について定めています。法人担当者への営業と求職者への連絡は区別し、自社の業態に適用される規律を確認してください。個人情報保護委員会の通則ガイドラインも踏まえ、法人営業の架電対象を作るために求職者情報を流用しない運用にします。
発信前のデータ抽出では、会社IDと法人担当者IDを必須にします。求職者IDが含まれていたら処理を止める検査も入れた方が良いです。電話番号だけをCSVへ出す運用では、混入を見つけにくくなります。
接点ごとに発信目的を一つにする
法人営業用のリストも、一括して同じトークへ入れません。既存顧客なら現在の求人状況を確認できます。過去取引先では、前回の取引と担当窓口を確かめます。セミナー参加企業には、参加したテーマに関する相談希望を聞きます。
Salesforceのキャンペーンメンバーステータスは、キャンペーンの種類ごとに一貫したステータスを作り、対象者の反応を記録する考え方を示しています。AI架電でも、どの接点から対象になったかを一件ずつ残してください。
「以前やり取りがあったため」だけでは、相手へ発信理由を説明できません。展示会名や資料請求など、相手が思い出せる接点を冒頭で伝えます。接点を確認できない会社は、別の調査工程へ戻します。
AIが聞く内容を採用状況に絞る
最初の電話で確認するのは、現在または今後の採用予定です。予定がある場合は、募集を検討する時期と担当窓口を聞きます。詳しい求人条件は営業担当との会話へ残します。
相手が募集職種や人数を話した場合は、そのまま記録できます。ただし、AIが市場相場や採用可能性を回答しないようにします。料金、契約条件、候補者の有無を聞かれた場面も人へ渡してください。
採用予定がない場合は、次回連絡の希望を確認します。連絡不要と伝えられたら、理由を聞き続けません。停止希望として保存し、同じ会社の別担当者へ自動でかけ直さない運用にします。
候補者情報を電話で開示しない
法人担当者から「どのような候補者がいるか」と聞かれることがあります。AIは、登録者の経歴や現在の選考状況を読み上げません。候補者を特定できないつもりでも、職歴や資格の組み合わせから推測される場合があります。
厚生労働省の職業紹介事業者等が対処するための指針では、求職者等の秘密に当たる個人情報を知った場合、正当な理由なく他人へ知られないよう厳重に管理することを求めています。AIの回答対象だけでなく、文字起こしや要約を閲覧できる人も限定してください。
候補者紹介へ進む場合は、法人担当者の権限と求人内容を営業担当が確認します。AIは相談希望を受け付け、担当者へ引き継ぐところで終えます。
会社と担当者と接点を別IDで残す
同じ会社でも、採用部門と現場部門では連絡目的が違います。会社IDと担当者IDを別に持ちます。今回の接点IDも通話IDと結びます。担当者が変わった場合は、古い担当者の記録を上書きせず終了状態を残してください。
通話結果は「興味あり」だけにまとめません。採用予定を確認できたのか、担当窓口だけ更新したのかを分けます。営業担当への転送結果と折り返し期限も別に残します。
停止希望は会社単位と担当者単位の両方を確認します。担当者本人だけが連絡不要なのか、その会社への営業連絡を止めるのかで次の処理が変わります。判断できない場合は再発信せず、人が確認します。
六つの電話で境界を確かめる
本番前には、話が順調に進む場面だけでなく、対象外データや情報開示を求められる場面も試します。次の六つを固定ケースにしてください。
- 既存顧客へ現在の採用予定だけを確認する
- 過去取引先で担当者変更を記録し、旧担当者を終了状態にする
- セミナー名を伝え、相談希望がある場合だけ営業へ渡す
- 候補者の経歴を聞かれても回答せず、営業担当へ引き継ぐ
- 求職者IDが混ざったリストを発信前の検査で止める
- 会社全体への連絡停止を受け、別担当者への再発信も止める
各ケースは会社IDと担当者ID、接点ID、通話IDで追います。有人転送が失敗した場合も、相談希望が消えないように折り返し担当と期限を残してください。
まず次回の法人営業リストを一つ選びます。会社IDと法人担当者IDがそろい、求職者IDを含まないことを発信前に確認してください。