AIテレアポの料金は、掲載されている月額だけでは比較できません。初期の会話設計と連携・毎月の固定費・通話やAI処理の従量費・運用開始後の変更費を合計します。同じ業務量を12か月動かした総額に直すと、価格差の理由が見えてきます。

料金が公開されていないサービスも、候補から外す必要はありません。先に自社の架電回数と会話時間を置き、各社へ同じ条件で見積もりを依頼します。金額だけでなく、何を数えて請求するか、どの作業まで含むかをそろえることが重要です。

この記事では、料金相場を一つの金額で示すのではなく、見積もりを比較可能な形へ直す手順を扱います。個別サービスの最新価格は、必ず公式の料金ページと見積書で確認してください。

最初に月間の利用量を決める

見積もりの前に、架電する業務を一つ選びます。新規リストへの営業と、資料請求後の即時フォローを一つの見積もりへ混ぜると、会話時間や再架電の条件が曖昧になります。

次に、月間の利用量を数値で置きます。過去の電話実績があれば、その中央値を使ってください。実績がない場合は、少なめに始める検証条件と本番条件を分けます。

見積条件記入例費用へ影響する理由
対象件数5,000件リスト登録や処理件数の上限に関わる
総架電回数8,000回再架電を含む発信回数を決める
AIとの会話成立数2,000件応答時だけ課金される料金体系を比較する
AI会話時間5,000分分単位のAI利用料や通話料の基礎になる
有人転送数100件転送通話料、同時接続、担当者工数に関わる
通話後の通知300件SMSや外部通知の従量費に関わる
会話内容の変更月2回変更支援が基本料金内か別料金かを確認する

「1件」の意味はサービスによって異なります。発信操作・呼び出し・相手の応答・AIとの会話成立のどこを課金対象にするか確認してください。留守番電話や話中、途中切断、再架電も同じ扱いとは限りません。

費用を四つに分ける

見積書は、初期費用・毎月の固定費・利用量に応じた変動費・変更運用費の四つに分解します。料金名称が違っても、この四分類へ置き直すと比較できます。

初期費用には、アカウント開設だけでなく会話設計・音声設定・電話番号・CRM連携の構築・テスト支援を含めます。毎月の固定費は、AIエージェント・ユーザー・回線やチャネル・管理画面・最低利用枠です。

変動費では、電話会社の通話料とAIの処理料を分けます。課金単位が通話時間なら、呼び出し中や転送後も対象かを確認します。件数課金なら、失敗した発信と再架電を数えるかを確認してください。

変更・運用費は見落としやすい部分です。スクリプトやプロンプトの修正・分析レポート・追加研修・保存期間の延長・CRM項目の変更が含まれます。自社で変更できる場合も、承認と動作確認に使う社内時間は残ります。

nocall.aiの公式料金案内は、エントリープランを初期費用・月額利用料金・従量課金の組み合わせとして示しています。ソクコムの公式料金ページでは、ユーザー・AIエージェント・サーバー・チャネルの月額に加えて従量課金と有料オプションが案内されています。公開料金があっても、一つの月額だけで総額にならない例です。

12か月総額へ置き直す

候補ごとの金額は、次の式へ当てはめます。

12か月総額 = 初期費用 + 毎月の固定費 × 12 + 毎月の変動費 × 12 + 追加変更費 + 社内運用費

社内運用費は、管理者と営業担当が毎月使う時間に社内の時間単価を掛けます。会話の修正・停止リストの反映・失敗通話の確認・CRM連携エラーの再処理を含めます。サービス利用料が安くても、毎週の手作業が多ければ総額は上がります。

見積もりは一つではなく、三つの利用量で依頼します。

条件目的見ること
初回検証一つの業務を小さく試す最低契約、初期設定、検証終了時の扱い
通常運用現実的な月間件数で使う基本枠、従量単価、運用支援の総額
繁忙月件数と同時通話が増える超過単価、上限、追加回線、処理遅延

この三条件で金額を並べると、固定費が低い候補と従量単価が低い候補の損益分岐が分かります。繁忙月だけ上位プランが必要なのか、年間契約でプランを下げられないのかも判断できます。

従量課金の単位をそろえる

従量課金では、単価より先に計測範囲を確認します。commuboの公式情報は従量課金制で、待機中ではなく利用した分を支払うと案内しています。一方、同社のサービス説明は通話時間を課金対象と説明しています。候補ごとに「利用した分」が何分・何件を指すかまで確認する必要があります。

近接するAI電話サービスでも、料金の分かれ方は同じではありません。IVRyの公式料金ページは、基本プラン料金とは別に電話番号維持費と従量利用料金がかかると明記しています。プランで利用できる発信・転送や権限管理も異なります。これは受電を含むサービスの例ですが、月額表示と実際の電話利用総額を分ける考え方はAIテレアポにも使えます。

見積書には、少なくとも次の単価と対象を明記してもらいます。

  1. 呼び出し、応答、AI会話、有人転送のうち課金される時間
  2. 固定電話、携帯電話、フリーダイヤルなど宛先・番号別の通話料
  3. 留守番電話、話中、途中切断、再架電の件数処理
  4. 文字起こし、要約、録音保存、SMS、API実行の追加料金
  5. 無料枠、最低利用量、超過単価と月間上限

税抜・税込、請求時の秒単位・分単位の丸めもそろえます。1通話ごとの端数切り上げがある場合、短い通話が多い業務では想定より費用が増えることがあります。

連携と改善支援の範囲を確認する

CRM連携は、機能の有無だけでは費用を判断できません。標準コネクターで接続するのか、APIを使って個別に作るのかで初期費用が変わります。通話結果を書き戻す項目の追加や認証方式の変更が、保守範囲に含まれるかも確認します。

会話設計も同様です。初回のトーク作成だけを支援するサービスと、運用後の録音確認や改善提案まで行うサービスでは、月額に含まれる作業が違います。自社で修正できることは利点ですが、公開前の承認やテストを誰が行うかを決めなければなりません。

比較するときは、見積書の横に「提供会社が行う作業」と「自社が行う作業」を書きます。担当が決まっていない作業は無料ではなく、未計上の運用費です。

安さではなく一つの成果単位で見る

総額を出したら、月間費用を有効な会話数で割ります。ここでいう有効な会話は、自社が必要とする情報を取得し、次の行動が決まった通話です。単なる応答や短時間の接続を成果にすると、安く見えても営業へ渡せる結果が増えない場合があります。

有人営業との比較では、架電時間だけを人件費から引きません。対象リストの準備・結果入力・再架電・引き継ぎ・品質確認に使う時間を現在値として測ります。AI導入後も残る作業を差し引いた削減時間と、追加された有効会話で費用を評価します。

アポイント数を使う場合は、日程を入れただけの件数と営業が受け入れた件数を分けます。キャンセルや重複、対象外の相手を除いた定義を候補間で統一してください。提供会社が件数を確約していない場合、想定アポイント数を確約値として置かないことも重要です。

同じ見積条件を三社へ送る

最後に、対象業務・三つの利用量・必要な連携・保存期間・支援範囲を一枚にします。各社へ同じ内容を送り、12か月総額と費目別の回答を依頼します。

回答を受け取ったら、未記載の費目をゼロとは扱いません。「料金に含む」「利用しない」「追加見積もり」のいずれかへ確定させます。契約期間・自動更新・解約時のデータ出力・検証から本番へ移る際の再設定費も確認してください。

最初の一歩は、直近一か月の架電実績から総架電回数・会話成立数・AIへ任せたい会話時間を出すことです。実績がなければ初回検証の数値を置きます。その一枚をAIテレアポの比較表と候補一覧で使えば、月額の大小ではなく自社の業務を続ける総額で選べます。